導入事例・ブログ
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公開日 : 2022/12/13 / 最終更新日 : 2024/05/27
技術の進歩により高機能な商品が巷に溢れ、インターネットやスマホの普及により消費者の購買行動が多様化しています。変化を続ける市場で消費者のニーズに応えるために、企業も消費者に対するアプローチの変革が求められています。
そこで注目されているのが「CX(顧客体験)」です。CX(顧客体験)は、購入前の情報収集から購入後のアフターサポートに至るまで、より網羅的に顧客満足を獲得するための新しい取り組みです。この記事では、CX(顧客体験)を向上させるためのステップと、Zendeskでの成功事例について解説します。
CXはCustomer Experienceの略で、日本では顧客体験と訳されるのが一般的です。開発技術の発達により商品の機能面での差別化がしにくくなっている現代において、新たな価値を自社の商品やサービスに与えるための取り組みとして注目されています。
カスタマーエクスペリエンスはその名のとおり顧客の体験に価値を置いており、商品やサービスそのものだけでなく、購入前に顧客が抱く印象から購入後のアフターサポートに至るまで、より長期的な視点での顧客満足を得るための考え方です。
例えば、商品のことをもっとよく知りたいときに、人はスマホなどで検索をしますが、ウェブサイトによくある質問のページが分かりやすい形で設置してあれば、CXを向上させ顧客の満足度を高めることができます。
CXに似ているマーケティング用語にCS(Customer Satisfaction:顧客満足)があります。CSは、自社の商品やサービスに対する満足度を数値で評価するための指標です。
例えば、商品やサービスを購入した顧客に5段階評価のアンケートなどを取り、5の評価がつけば高い満足度を得られているなど、市場に出ている商品やサービスの現状を把握するための指標でもあります。CSが提供している商品やサービスそのものを評価するのに対して、CXでは商品やサービスの購入前後を含めたトータルでの顧客体験を評価します。
体験価値を評価する指標には、CX以外にもUX(User Experience:ユーザー体験)という指標があります。ユーザーとは利用者を意味する言葉ですから、自社の商品やサービスを利用した際に得られる体験を評価することになります。実際に使用した商品に対する印象や使用感、商品やサービスを通して実感する変化などがUXに該当します。
一方CXの場合、対象とするのは実際に商品やサービスを利用した顧客だけではありません。商品やサービスを購入する前の見込み顧客の体験をも評価の対象としています。CXはより広い範囲での顧客体験を指していると言えます。
近年のビジネスシーンでCXが注目されている背景としては、インターネットやスマホの普及により、商品やサービスを購入するまでの消費者の行動が多様化していることにあります。
現代の消費者は、気になる商品についてウェブサイトやSNS、アプリなどを通して調査をおこない、他の多くの商品と比較してから購入を決めています。さらに、その商品を継続するかどうかもまた常に情報収集・比較をしながら検討をしているのです。購入前の段階である見込み顧客へのアプローチも積極的に実施し、CXの向上を目指すことが、現代の販売競争を生き抜くカギとなっています。
CXが向上すると、ブランドイメージが良くなり、口コミが広がり、リピーターを増やせるといったメリットがあります。購入する前にFAQなどで納得のいく情報収集ができれば、大きな満足感を得られ、ブランドに対する印象が良くなります。好印象のまま商品購入となれば、体験を手軽にシェアできるSNSなどで高評価の口コミを拡散することができます。また、購入前からコツコツと信頼関係を築きながら購入までのステップを踏むことで、リピートや他商品の購入にも繋がります。
CX向上に必要なのは、現状の整理と感情へのアプローチ、デジタルマーケティングとの併用です。
CXを向上させるには、まず現在の状況を把握し、情報を整理しておく必要があります。
例えば、顧客はどこで自社の商品やサービスとの接点を持つのか(店舗や雑誌、ウェブサイトやSNSなど)、その接点となる場所では顧客情報を取得・蓄積できているのか(問い合わせ、アンケートの記録など)、取得した情報を自社ではどのように管理しているのか(部署ごとでバラバラになっていないか)、購入の前から双方向のコミュニケーションができているか(回答漏れがないかなど)、購入後はどのようなコミュニケーションを取っているのかなどです。
認知・検討・購入・リピート・ファン化の五段階に分け、それぞれの段階について、どのように接点を持ち、どのようにアプローチしているかを確認することで、自社に必要な課題が見えてきます。
現状の整理で顧客との接点やデータの記録・活用方法を確認したら、それぞれの課題に対して対策を検討します。対策を練る際は、顧客の感情にアプローチできる対策を講じることが大切です。なぜなら、見込み顧客を商品の購入やサービスの利用に繋げ、リピートしてもらうには、ポジティブな印象を持ってもらう必要があるからです。
気になった商品やサービスがあるにも関わらず、問い合わせの段階で納得のいく回答が得られない、返信に何日もかかる、サイトを見ても問題が解決しない、たらい回しにあった気分になる、といった感情を抱かせてしまうと、見込み顧客に次のステップに進んでもらうことは容易ではありません。管理体制に課題を感じている場合、顧客管理ツールなどを駆使して対応を効率化すれば、より快適なCXを届けられるはずです。
インターネットやスマホが普及した現代の生活において、CXとデジタルマーケティングは親和性の高い組み合わせとなっています。見込み顧客との接点は、店舗や雑誌などのリアルな場所に限られず、インターネットやメール、SNSやアプリなど多岐に渡ります。どの手段で商品やサービスとの接点を持ったとしても、変わらないクオリティのサービス提供やコミュニケーションを取ることで、CXの向上をはかります。
入学志願者やその保護者からの問い合わせに対してスタッフ5名で対応する入試課での事例です。秋前や年末年始など、願書の提出期限が近づく時期に国内外から問い合わせがあり、繁忙期となると1日50件のメールや30分以上の電話対応が続きます。日中の業務が電話対応に終始することも多く、問い合わせ対応についての課題を抱えており、対応の漏れが出ないよう、進捗を一元で管理できるシステムの導入を模索していました。 まずは対策が急務である志願者向けFAQの刷新からプロジェクトが開始されます。繁忙期までにサポート体制を整えるため、3ヶ月以内の運用開始を目指してシステム構築が進められました。無事に繁忙期に入る前にシステムの導入を間に合わせることができ、運用を開始してすぐにメール対応が3〜5割減少する効果を得られています。
電話対応でもウェブサイトのFAQを見ていただくよう案内が可能になったため、対応の負担も軽減されています。また、メールの進捗や担当者が色分けで一元管理されているため、対応漏れの心配もありません。
創業130年を誇る会社で物流とソリューション事業を基幹事業としており、社内のDX化を推進している企業でもあります。システムのIT化は進むものの、トラブル発生などの社内での問い合わせは担当者へ直接電話で済ましてしまうことが多く、問題解決のためのノウハウが記録として残らない環境でした。
また、システムについての改善依頼があったとしても、他の対応で見落としも多く、サービス品質の低下が課題となっていました。並行した他のシステム構築の関係もあり、2週間という短期間での立ち上げとなりました。電話を受けチケットを自動発行するシンプルな機能のみで運用を開始しましたが、現場の意見を採用しながら最適な機能追加を実施しました。電話文化が浸透していた社内ではありましたが、思いのほかチャットやメールの問い合わせも多く、意識の変化も感じられます。
年間1万件を超すスクール型研修に対する問い合わせ対応のためにZendeskが利用されています。当初はメーリングリストにて対応をおこなっていましたが、重複を逐一確認する必要がある、各個人の対応進捗も把握しづらい点などが課題とされていました。
タスク管理の明瞭さやカスタマイズの容易性が評価されZendeskが採用されましたが、運用開始3ヶ月で残業時間を7割削減することに成功しています。今後はZendeskの機能を拡張していき、社内の営業担当の資料案内サポートを加えるなど、さらなる業務効率化と顧客満足の向上を目指します。
CXを向上させるためのステップや成功事例をご紹介しました。CXを向上させるには、顧客目線に立った接点の洗い出しと改善が必要になります。商品の購入者やサービスの利用者はもちろん、まだ接点を持ったばかりの見込み顧客の感情にまでアプローチする対策を立てられれば、CXの向上を実現させることができるでしょう。
Zendeskでは、サービスの効率化と品質向上を同時に実現するための仕組みを構築しています。CX向上に向けた対策をご検討の際はぜひご相談ください。