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2018/02/20
レポート
2018年2月7日に弊社主催で「ZendeskとAIで実現する顧客コミュニケーション最適化」セミナーを開催しました。
その発表内容についてご紹介させて頂きます。
セミナー発表内容の前に、簡単にZendeskの紹介をします。
Zendeskとは、クラウドベースの顧客サポートソフトウェアです。
メールやチャット、SNS等の様々なチャネルからの問い合わせを統合して顧客対応票(チケット)管理することでカスタマーサポートの効率を飛躍的に向上させることができます。
Zendeskの詳細な説明はこちらでは割愛し、早速発表内容をご紹介していきます。
セッション1は株式会社Zendesk営業担当野上氏による「Zendeskの紹介」です。
まずはじめに、近年における顧客コミュニケーションの変化について。
モバイルユーザが日本の人口を上回り、消費者の環境も大きく変化しています。
LINE、Twitter、Facebook等のSNSが年齢問わず広がってきており、
顧客との接点も同様に大きく変化してきています。
そのような中で、顧客の求める3つの要素の変化として以下の例が挙がりました。
素早い対応
(旧来)複雑な電話連絡先、営業時間のみの対応
(現在)チャットとメッセンジャーで常に対応可能
自己解決
(旧来)アカウント更新に電話が必要
(現在)アプリ経由でアカウント更新、FAQの充実
透明性
(旧来)注文状況が不明
(現在)状況が変わるたびに通知
しかしながら、1/5の企業しか顧客に満足いく体験を与えられていないというデータがあるとのこと。
その理由として以下3つの例を挙げられました。
①部門・部署の分断
②システムの分断
③チャネルの分断
はこれらをサポートする仕組みを展開しています。(直感的でわかりやすいを大切にしている)
1つのインターフェースで、どんなチャネルのやりとりも把握することができ、
瞬時にして顧客への対応がわかる。
その結果、どのチャネルからの問い合わせでも一貫した対応が可能になります。
実際の調査結果でも、顧客の64パーセントは使用しているチャネルに関係なくリアルタイムでのサポートを望んでいるし、企業もまた、シームレスな顧客体験の提供の為、さらなる努力が必要と考えているのです。
次に、他システムとZendeskとの連携についてご紹介がありました。
メジャーなアプリケーションはアドオンアプリという形で提供しており、
簡単にシステム連携することが可能です。
また、ZendeskはAPIを公開しているので、アドオンアプリがなくてもAPIを利用することで個別に開発することも可能となり顧客情報や請求、配送のシステム等とつなぐことができます。
最後に導入事例の紹介がありました。
ここではその一つ、Japan Taxi様の例をご紹介します。
同社のラインナップは、ハードウェアにおいてはドライブレコーダーやタクシーメーター、配車システム等多岐にわたる上、顧客においてもタクシーの利用者、乗務員、タクシー会社と個人と法人が混在していました。当然、サポート部門へ の問い合わせ内容は多様化を極めて、非常に煩雑な対応が必要となっていたといいます。
この管理をZendesk導入前はExcelで行っており、分析まではなかなか難しかったとのこと。
Zendesk導入後は、Insight機能を利用することで経営層への月次報告が容易になり、さらにタグ情報を付加し様々な分析に利用されているとのことです。また同社は単に問い合わせの一次回答を早めるだけでなく、顧客からできるだけフィードバックを取得し、今後のサービスに生かすコミュニケーションをされているとのことです。
その他、Freee様、ソニーネットワークコミュニケージョンズ様、GMOペパボ様の事例を紹介していただきました。
セッション2は当社事業開発部の河合による「AIによる顧客コミュニケーション最適化」です。
なぜカスタマーサポートに”AI”なのでしょうか。
始まりは「従業員エンゲージメントを高めたい」、そんな思いで事業を企画していました。
やりがいのある仕事って、やりたいと思っても「そんな時間がない」「今の仕事誰がするの?」といった、
日々の業務に追われている人が多いのが実情です。
それであれば、
「業務を効率化・自動化」によって「単純業務からの解放」し、「付加価値業務へ移行」
の流れを作ることが重要だと考えていました。
では、どうやって実現するのか?
そこで、機械学習や自然言語処理技術といったAI技術が活用できるのではないかと考えました。
さらには、流行りの自動応答するチャットボットではなく、”人をサポートする”サービスを提供したい、
それが情報のレコメンドであり、イメージできる活用の場が「カスタマーサポート」であったということです。
今回紹介したのは、zendesk supportと「Word2Vec」という、
自然言語処理と機械学習を連携させて回答候補をレコメンドする仕組みです。
普段使っている「言葉」は、機械の中では何の”意味”も持っておらず、あくまでもその言葉の意味を知っているのは人間なので、機械はただ表示しているだけです。その機械に何かしらの意味を持たせる技術の一つが、この”Word2Vec”です。
今回は、その中でも「Skip gram」という、ある”単語”から、その”周辺単語”の確率を計算するという手法を使っています。
「Skip gram」を使って文章を学習すると、おそらく”eat”の周辺単語として”apple”や”orange”などの食べ物の出現確率が高くて、”network”や”zombie”などの食べ物ではない単語の出現確率は極めて低くなります。
このような出現確率をニューラルネットワークで出力する過程の真ん中の層(隠れ層)で行なっているのが、分散表現の単語ベクトル化(言葉に意味を持たせる)なのです。
分散表現された単語ベクトルは、意味が近い単語同士はベクトルの数値も近くなり、逆に意味が遠いと数値も離れていくという性質があり、この性質を利用すると、ベクトル同士のCosign(コサイン)類似度を計算することで、文書同士の類似度を測ることができます。
カスタマーサポートに当てはめると、お客様からの”問い合わせ(文書)”をWord2vecでベクトル化します。
蓄積されているベクトル化された過去の”問い合わせと回答(文書)”をコサイン類似度を測定し、数値の高い文書を”類似度の高い回答候補”として、オペレーターにレコメンドすることができるのです。
ただ、目的はAIを導入することではなく、「人をサポート」することですので、必ずしもAIを導入する必要はありません。
zendesk supportの「トリガ」や「マクロ」、「自動化」などの機能を組み合わせるなど、企業のニーズに合わせて課題解決を目指すことが大切だと考えています。
次に紹介しましたのは、zendesk chatと「Watson Conversation API」で実現するチャットボット事例です。
zendesk chatは通常、WebサイトのHTML内にウィジェットコードを埋め込むだけで開始できますが、Watson Conversation APIとの連携はSDKを使って実現することができます。
会話のフローはWatson側で設定することが可能なため、一からシステムを構築する必要がありません。
今回のデモでは、企業の「採用ページ」にて、サイトに訪問してきた就職希望者と会話を行い、会社説明会に案内するといった内容でしたが、その他にも「社内問い合わせ(FAQ)」での活用なども期待できます。
さらにzendesk chatのトリガ機能によって、システム側から訪問者に自動で話しかけることができますので、積極的なコミュニケーションが可能になります。
オムニチャネル時代の多様化する顧客とのコミュニケーションを、zendesk製品に備わった便利な機能に加え、AIによる類似回答レコメンドやチャットボットを活用することで、カスタマーエクスペリエンス(CX)だけでなく、従業員エンゲージメントの向上にも期待できると考えています。
今回のセミナーではAIという切り口で、Zendeskの付加価値をご提案しました。
今後も、セミナー開催やブログ記事等で皆様に情報発信を続けていきます。
以上、弊社主催での初開催となったZendeskセミナーのレポートでした。