導入事例・ブログ
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公開日 : 2018/10/16 / 最終更新日 : 2024/05/27
カスタマーエクスペリエンス(CX)に取り組み始めると、顧客体験をより向上させることの必要性に気づかされます。
しかし、カスタマーエクスペリエンスに割ける人的リソースの不足や、自社に適した具体的な手法がわからないという壁に遭遇してはいらっしゃいませんか。
今回は、カスタマーエクスペリエンスで今一度考えてみたいサポート法と、その中でも思いの外重要な側面である「セルフサービス」についてご説明します。
カスタマーエクスペリエンスという概念を実現するため、企業が導入したいと考えるツールは多岐にわたります。
それぞれのツールの特徴、担う役目をご説明します。
現在、サービスや品物を販売するサイトには、いくつかの「コンタクト方法(チャネル)」が設置されることが増えています。
顧客や見込み客が何らかの質問を抱えているとき、ないしは質問をしたいと考えるとき、自分にとって都合の良い方法を選べるようにしているのです。
しかしながら、これら多岐にわたるコンタクト方法でそれぞれに対応していると、「コンタクト方法の数×コンタクトの量」だけ対応担当者が必要となります。
さらにいえば、それぞれのコンタクト法を担当するグループ内だけで情報が留まってしまい、他のコンタクト法を担当するグループとの情報共有ができないことも考えられます。
同じ質問でも、コンタクト法により回答やアドバイスが異なってしまう結果を招いてしまえば、顧客や見込み客は「成功」どころか「失敗」を体験してしまうこととなり、あなたの取り扱うサービスや商品から離れていってしまうかもしれません。
この問題を回避するため、各種チャネルを統合する「オムニチャネル化」が重要です。
それぞれのチャネルでやり取りされている情報に、担当者がシームレスにアクセスできるような状態が作り上げられていれば、先に挙げたような「チャネルや担当者によって回答が異なる」という“顧客の心理的痛み”を招くことはありません。
オムニチャネル化するためには、次のようなことが必要です。
オムニチャネル対応ができれば、各チャネルから上がってくる質問や疑問を「すべてまとめる」ことができます。
その後、次のようなことを行う必要があります。
情報を社内で共有できるようになれば、部署という垣根を越え、「顧客や見込み客が何を望んでいるのか」が一目瞭然となります。
また、実際にサービスや商品を利用しているユーザーが、「利用中にどのようなことでつまずいているのか」を一覧化することで、改良すべき点を社員全員で“監視”することもできるようになります。
顧客にまつわる多くの情報を蓄積すれば、ナレッジベースが出来上がります。
全社一丸となって顧客の体験をスピーディーに察知できることとなり、「深刻なことは会議にかける」「軽微なことなら説明をより丁寧なものに変更する通知を社員に出す」など、会社全体の動きを適切にコントロールできるようにもなります。
ナレッジベースを適切に運用すれば、「重大な問題」「軽微な問題」を切り分けることができ、場合によっては会議を減らすことが可能となりますので、顧客の期待に応えるだけでなく、全社的な無駄を省く仕組みとなってくれるのです。
ナレッジベースが出来上がり、それを人的リソースで活用できるまでになれば、次はチャットボットの登場です。
必要なタイミングで、チャットボットがサイト来訪者に「お困りですか?」と話しかければ、来訪者はそのままサイトに留まり続けてくれるでしょう。
テキストで特定のキーワードが入力されれば、ナレッジベースからその質問に関連した情報へのリンクを提示させるよう設定しておきます。
サイト来訪者がチャットボットを利用しても問題が解消できないとき、はじめてチャット担当者が直接“対応”すればよいこととなります。
ナレッジベースとチャットボットがうまく連携していれば、来訪者は「無駄な待ち時間」を費やすこともなくなりますし、企業側にとっても対応にかかる工数を減らすことが可能となります。
顧客から寄せられた質問やクレームが集まれば、ナレッジベースが出来上がり、いわゆる「よくある質問」を発見できます。
これをもとに、わかりやすく充実したFAQページを作成すれば、顧客は自らの手で、自分に一番適したタイミングで問題を解消できます。
顧客が、あなたの取り扱うサービスや商品に関してもっとよく知りたいとき、最初に訪れるのがFAQページでしょう。
FAQページなら、いつでも、どこからでもアクセスでき、何より「○○について知りたいのです」「サービス(商品)を使用中、○○のような現象が起きます」といった説明をせずに済み、手間が省けます。
対応スタッフも、頻度が高かった質問の問い合わせ数が減ることで、より重要な他の問い合わせに丁寧に答える時間を確保できます。
FAQページを充実させればさせるほど、顧客は問題を自己解決でき、「この会社は親切だ」と認識してくれるはずです。
ナレッジベースと連携させたチャットボットや、充実したFAQページは、顧客自身で問題解決ができる仕組みで、これを「セルフサービス」と呼びます。
これらをいつでも、どのデバイスからでも利用できるようにしておくことで、スピーディーに顧客に満足を与えることができます。
疑問を抱いたときすぐに答えを提示できる、つまりオンデマンド対応ができているということだからです。
働き方やライフスタイルが多様化している現代において、時間や場所、デバイスに囚われず、知りたいことへの回答をすぐに得られることは、顧客にとって重要です。
今や、欲しいものを見つければ、ネットショップで購入ボタンを押せば事足りる時代となりました。
この利便性を日常的に経験している顧客にとって、わざわざ困りごとをテキストで入力したり、電話口で伝えたりすることが、不便に感じることもあるでしょう。
上記でも少し触れたとおり、顧客や見込み客が自身で問題解決できる環境を整えることは、多くのチャネルから寄せられる問い合わせを減らし、対応する工数を削減することにもつながります。
積み重なった情報は、サービスや商品に求められる改良点を示唆してくれることもあるでしょう。
セルフサービスの基礎となるナレッジベースなどの仕組みは、企業の宝にもなり得るのです。
カスタマーエクスペリエンスとは、顧客体験をより向上させることです。
その「ストーリー」は利用契約(購入)前から始まり、利用中も、ときに利用を中止したあとにまで続いていきます。
この間、サービスや商品のみならず、会社の対応までもが顧客にとって体験のすべてとなり、満足できるかどうかを決定付けるのです。
いつでも/どこでもが当然となった今、自分で“解を得る”ことをユーザーは望んでいます。
ある調査では、消費者の約80%が「セルフサービス」を好むことが確認されたほどです。
確かに、上で触れたような仕組みを導入するにはそれなりの費用はかかります。
しかしながら、それを上回る顧客の満足、そして社内の作業効率向上は、無視することのできない大きなメリットです。
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