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カスタマーサポートにAIを導入するメリットの解説と事例3選を紹介

公開日 : 2023/02/28     /     最終更新日 :  2024/03/05


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AIの導入は、カスタマーサポート担当者の負担を軽減するだけでなく、顧客の満足度を高めることができるメリットもあります。なぜならAIはその計算速度を駆使し、人よりも早い対応を可能にするからです。担当部署に何度も同じ質問が寄せられる場合、人で対応するのは時間もコストも無駄になってしまいます。この記事ではカスタマーサポートにAIを導入するメリットや事例をご紹介いたします。

そもそもAI(人工知能)とは?

AI(人工知能)とは、人と同じように話すことを理解し、ものごとを学習する機能をもつコンピュータのことです。オセロやチェスなどのゲームで対戦相手の指し手を認識し、何千通りの中から最適解を選び、ときにプロをも凌駕するAIの光景をメディアで見たことがある方もいらっしゃるはずです。人工知能のもつ主な特徴は、機械学習自然言語処理です。

機械学習とは、活動を通して得られるデータを蓄積し、最新のデータに沿って最適解を導き出すための仕組みです。自然言語処理とは、電話やメール、チャットでの会話内容を理解し、内容に応じた処理や提案につなげるための仕組みです。両方の技術を駆使することで、人間の代わりとしての役割を果たせるようになりました。

AI技術は汎用化が進み、ビジネスの世界でも応用されるケースが多くなりましたが、その一つがチャットボットです。チャットボットは、ウェブサイトに訪れた人からの質問を認識し、膨大な量のデータの中から適切な答えを返してくれる働きをします。顧客からの問い合わせに応対するカスタマーサポートの役割を果たしてくれるため、担当者の負担軽減につながります。チャットボットは多くの企業がすでに導入しており、問題解決手段として、オペレーターでもチャットボットでも気にならなくなってきています。もちろん、カスタマーサポートの人員が不要になるわけではありません。オペレーター対応が適している場合もありますが、必要ない単純な作業を任せるのにAIが活躍してくれます。

カスタマーサポートのAI化が進む背景

新型コロナウイルスにおけるリモート化の影響

カスタマーサポートのAI化が進む背景には、新型コロナウイルスの影響があります。政府からの自粛要請により、時短での勤務や残業なしの働き方、リモートワークなどが普及しました。しかし、カスタマーサポートの場合は出社しなければできない作業も多く、コロナ対策のために業務に支障が出ることが多い部署でもあります。

コロナ対策でカスタマーサポートの人員がデスクで仕事に取り組める時間が減っているのにも関わらず、問い合わせの数は変わらない、もしくは増えているのが現状です。短時間でより多くの業務をこなす必要がありますし、人の手だけでは業務量に対応できないため、顧客対応を自動化できるチャットボットなどのAI技術の需要が高まってきています。カスタマーサポートのAI技術は担当者の代わりに作業をしてくれるだけでなく、コンピュータ計算による問題解決の早さから、顧客満足度を高めるのにも役立ちます。

AI技術の発展と性能の向上

技術そのものの発展も、カスタマーサポートがAI化する要因の一つです。AIが誕生したのは1950年代といわれていますが、はじめの活用先はゲームの世界でした。パズルやオセロなどのルールをコンピュータが学習し、相手がいなくてもゲームを進められるようになりました。続いての盛り上がりを見せたのが1980年代です。取り込んだ膨大な知識を元にユーザーの質問に適切な答えを選別できるようになったため、医療や会計、人事や金融などの実務に応用されるようになります。

さらに技術の発展は進み、2012年にはGoogleの研究者により深層学習(ディープラーニング)の研究が発表され、認識精度が飛躍的に向上し、ビジネスへのAI活用が活発になりました。チャットボットに代表されるような対話システムや自動翻訳が開発されたことで、Googleにて膨大な量の計算を実施して作り上げられた事前学習モデルが無料で公開され、ビジネスへのAI導入が全世界的に加速して今日にいたります。

CX(顧客体験)を追求する企業の増加

顧客体験を追求するのにもAIが活躍します。顧客体験とは、企業や商品との接点を通じて得られる体験のことです。体験の良し悪しは企業や商品に対する印象に大きく影響するため、顧客対応の品質向上のためにAIが利用されるようになりました。現代のビジネスでは、商品やサービスの機能的な魅力だけでは顧客が自社を選ぶ理由にはなりません。同じようなクオリティの会社は他にいくつもあるからです。

そこで自社の魅力やオリジナリティを伝えるため目をつけられたのが顧客体験です。企業や商品とのあらゆる接点をケアすることで、好印象となる体験を増やし、顧客満足度の向上を目指します。問い合わせをしたときにAIによる素早い課題解決も顧客体験を向上させる一つの方法です。繰り返し問い合わせのある質問に対しては、AIを用いることでスピード解決が可能になり、顧客の不満をすぐに解消できます。より重要度の高い質問に対してのみ人が対応することで、信頼性が高まり、顧客のロイヤリティ獲得につながります。

カスタマーサポートにおけるAIの機能と活用方法

カスタマーサポートにおいてAIが活躍してくれるのは、ユーザーの自力解決をサポートすることにあります。顧客の求めるヘルプ記事を自動で検索し提供することで、わざわざ問い合わせをしなくても素早く不満を解消できます。機械では細かい配慮ができないのではと思うかもしれませんが、AIならパーソナライズされた情報提供も可能です。

また、顧客だけでなく、カスタマーサポート担当者の課題解決にも役立ちます。顧客への答えを探すために調査をおこないますが、その時間が蓄積されれば大きな無駄が生じます。問い合わせ内容から提案すべき答えをAIがピックアップし担当者が判断することで、作業効率は飛躍的に改善されるはずです。

カスタマーサポートにAIを導入するメリット

カスタマーサポートにAIを導入するメリットは、顧客も担当者も必要な情報を素早く入手できることがあげられます。繰り返し受ける質問に対して人が何度も同じ作業・対応をするのは非効率ですので、自動対応することで見えにくいコストをカットします。AIは提供する情報をパーソナライズしてくれますので、顧客対応に人間味を出すことができます。例えば、利用履歴から何度も訪問してくれる方に対しては「いつもありがとうございます」、初めての方には「ご利用ありがとうございます」といったメッセージをAI自ら判断して切り替えをおこないます。

また、現代における顧客との接点は電話やメールだけではありません。ユーザーはSNSやチャットアプリでも問題解決をしたいと考えているため、複数のチャネルで同じクオリティの対応が求められます。AIなら、顧客との接点がいくら増えても自社への貢献のために休むことなく活躍してくれます。

カスタマーサポートにAIを導入した事例3選

TEPCO

東京電力エナジーパートナーでは、販売力強化やオペレーションの効率化をはかるために、社内業務のIT化を積極的に取り入れています。顧客が自社サイトのFAQページで情報を検索しても目的とする答えが見つからず、自己解決につながらないことが課題となっていました。そこで、音声認識やチャットボットの技術など、カスタマーサポートに特化したツールであるZendeskの導入を決めました。

FAQにおいては分散していた項目をZendeskで一元管理し、AIがユーザーの検索に柔軟に対応することで、ページの閲覧数が2.5倍に改善しました。オペレーションにおいてもチャットボットを活用することで自己解決の数が増え、顧客満足度も90%以上と数値で成果を確認することができています。

 

株式会社アダストリア

株式会社アダストリアは、国内外に1,400店舗をもつカジュアルファッションブランドです。膨大な数の会員を抱えながら、問い合わせ対応を紙で管理していることが課題となっていました。担当部署で管理における課題を洗い出し、標準機能で解決を目指せるZendekの導入を実施しました。情報を一元管理することで問い合わせの解決に要していた時間を60%以上削減することに成功し、顧客の自己解決を促進させたことで、フリーコールの数も前年比の70%近くを削減させることができました。

 

立命館大学

立命館大学では、学生支援の一環として業務のオンライン化を目指しています。学生生活に必要な手続きの窓口がキャンパスのみに限定されていたため、オンラインでの申請や問い合わせ対応を希望していました。Zendeskを導入し問い合わせ対応を自動化したことで、サイトを読めばわかるような問い合わせが減り、複雑な相談を中心に対応できるようになりました。

 

まとめ

顧客対応の品質向上や担当者のパフォーマンス向上をAIがサポートしてくれます。問い合わせ対応を改善したい、顧客満足度を高める手段を探している場合、ぜひカスタマーサポートへのAI導入をご検討ください。