導入事例・ブログ
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公開日 : 2022/09/29 / 最終更新日 : 2024/05/27
オムニチャネルって使えるの?メリットはある?と気になりますよね。
オムニチャネルとは、お客様と接する機会を増やし、かつスムーズに購入してもらうためのマーケティング手法の一つです。ネット注文だけでなく店舗にも来てほしい、他の価格比較サイトでなく自社のサイトから購入してほしい、そんな想いを叶えるための手法でもあります。
本記事では、最先端の販売手法として存在感を強めているオム二チャネルについて分かりやすく解説していきます。記事内でご紹介するオムニチャネルを活用する際のポイントを理解できれば、お客様の心を離さないビジネスの仕組みを作れるはずですよ。
目次
オムニチャネルは、販売経路を広く網羅してお客様との接点を増やし、かつそれぞれの経路の行き来を自由にすることで、ストレスなく購入へと誘導させるためのマーケティング手法です。オムニは「全ての」、チャネルは「経路」を意味しています。お客様の好みや要望が多様化している現代において、オムニチャネルは網羅的でお客様を逃がさない工夫がされていることから、注目が高まっています。
オムニチャネルを導入した成功事例の一つが「スマホアプリ」です。あるデパートは、食材売り場のPOPにスマホをかざすとおすすめレシピがわかるアプリを開発しました。そのレシピの中で売り場にないものは、アプリで注文して後日自宅に届けられるようになっています。店舗とネットをその場で行き来しながら追加購入もできるため、顧客満足と売上の向上に成功しています。
また、雑貨店では店舗に来るだけでポイントがたまるアプリを開発しました。もちろんアプリで在庫確認から製品購入までできるようになっています。また、アプリ会員限定で店舗での買い物が10%OFFになるクーポンを発行するなど、来店してもらうための工夫もしています。他のサイトで同じ商品を購入してもポイントは貯まらないので自社サイトで購入をしてもらえますし、店舗専用クーポンは来店する理由作りにもなりますよね。
複数の販売経路というのは、インターネットが普及する前から存在していた考え方です。ですが、インターネットの登場とSNSやスマホが普及したことで、人々の買い物の仕方は劇的に変化しました。物が一つの販売経路(店舗)では売れなくなってしまったためです。インターネットで物を買うのが当たり前になって、書籍や音楽が店舗では以前より売れなくなりました。そして、スマホの普及で、口コミや価格の安いウェブサイトを手軽に調べられるようになり、書籍や音楽だけに止まらず、店舗でも以前よりも売られているものが売れなくなりました。店舗で商品を見て、その場で調べ(店舗HP、価格比較サイト、口コミサイト、SNS)、良い条件の場所で商品を買う、という今では当たり前の流れがスマホの登場でより広がりました。
また、SNSの著名人が身につけている商品をSNSから直接購入できるようにもなり、店舗どころかもはやインターネットにショップを開いてもそう簡単には売れなくなりました。一見急激な購入方法の変化なようにも思えますが、新しいツールの登場に従って、お客様の買い物をする場所(購入経路)が移動している・分散しているだけなのです。
購入場所の移動・分散に対応した販売方法が、オムニチャネルです。網羅的にお客様との接点を作り出していき、どのタイミングでも購入に繋げられるよう仕組みを整えていきます。前項でご紹介した「スマホアプリ」が、オムニチャネルの成功事例になるのも納得ですよね。多くの人がスマホは起きている間ずっと一緒ですから、接点を持てるチャンスは最大化します。
また、クーポンやポイントを導入すれば外部サイトで比較されるリスクを抑えることができますし、アプリでそのまま購入できるので、購入するタイミングは時間と場所を選びません。ただし、勘違いしてはいけないのが、オムニチャネルは、宣伝媒体を無限に増やすことではないということです。アプリのように、店舗・ネット・各種SNSそれぞれで使える機能を一つにまとめて、いつでも・どこでも・どんな方法でも手軽に商品やサービスを購入できることがオムニチャネルを活用する目的です。
複数チャネルを利用したマーケティング方法がいくつかありますので、オムニチャネルと比較しながら見ていきましょう。
マルチチャネルは、商品の購入経路が複数ある状態です。リアル店舗とネットショップなどです。現代でもマルチチャネルの種類は増えており、メール・SNS・TVなどがあります。ですが、それぞれの購入経路が独立しているため連携できない点がデメリットです。書籍や音楽、電化製品の購入が店舗からインターネットに移動しましたが、店舗とネットの会社はそれぞれ別会社(独立)であるため、当然売上は共有できていません。
クロスチャネルは、商品の購入経路が複数あり、ユーザーによって使い分けがされている状態です。マルチチャネルではネット一辺倒になっていましたが、クロスチャネルでは店舗で実物を見て購入することもあれば、ネットで購入することもあります。マルチチャネルの連携が成功しているので、顧客データや在庫データをまとめてリアルタイムで更新・共有ができるようになっています。ただし、企業側は情報が統一されているため管理がしやすいですが、お客様側の気持ちとしては店舗とネットショップは全く別物の感覚です。ですので、ネットでより安い他店の商品を選ぶ可能性がまだまだ大きいです。
O2Oは、オンラインからオフラインへ誘導するための対策をすることです。インターネットの普及で店舗から離れたお客様を、インターネットを使って呼び戻そうとする取り組みですね。例えば、自店舗でHPを開設し運営する中で、HPに訪問してくれるお客様に対して、店舗だけで利用できるクーポンを発行し、来店を促進するといった流れで集客をおこないます。O2Oがインターネットからリアル店舗への一方通行の流れを作るのに対して、オムニチャネルではネットとリアル関係なく、どちらでも購買に繋がるよう仕組み作りを進めます。
オムニチャネルは、お客様の購買行動を店舗に制限する、ネットに制限するものではありません。商品を買おうと思ったら、お店・アプリ・SNS・ネットどこからでも、いつでもお得に買い物を楽しめるようにする仕組み作りです。
オムニチャネルでお客様の行動を制限しない仕組みを作ったら、どんなメリットがあるのかも確認しておきましょう。メリットは「顧客満足度の向上」「機会損失の減少」「顧客分析の品質向上」です。
オムニチャネルの仕組みを作れたら、顧客満足度の向上が期待できます。なぜなら、お客様はストレスのない購買活動ができるからです。例えば記事冒頭でご紹介したデパートの例ですと、日々レシピを考えるというのは労力がいりますが、その労力を代わりに担ってくれるため楽に買い物ができます。さらに、レシピはあるが商品が売り場にないものはネットですぐ注文できるので、探す手間も省けますよね。お客様の買い物がよりスムーズになった上に、売上も追加されています。
オムニチャネルの仕組みを利用すれば、機会損失を減らせます。なぜなら、お客様が離れにくい仕組みを作れるからです。どういうことかというと、他社との比較に繋がるような行動を事前に排除して、自社内で比較をさせる仕組みを作れるからです。記事冒頭でご紹介した雑貨店を例にすると、使うほどにポイントが貯まるアプリが他社を排除する仕組みです。店舗に来るとポイントが貯まり、口コミをするとポイントが貯まり、製品購入でもポイントが貯まります。このようなアプリ利用でのお得感を演出できるため、同じ製品を外部サイトで比較する発想が生まれにくくなります。
オフラインとオンラインのお客様の購買行動のデータが蓄積されるので、顧客分析がよりしやすくなります。つまり、オムニチャネルを利用することで、お客様の行動傾向がわかるので、次に何をすれば喜んでもらえるかが予測しやすくなるのです。
得られることがたくさんあるオムニチャネルですが、もちろんデメリットもあります。「すぐにはできない」「費用がかかる」「複雑化しやすい」です。
オムニチャネルの活用には時間がかかります。なぜなら、仕組みを作ってからお客様が使えるようになるまでのステップが多数存在するからです。具体的には、ユーザー分析、オムニチャネルの企画、新規システム構築、既存のシステムとの結合、試験運用、新サービスの認知、新サービスの利用といった流れで運用されます。システム構築に多くの時間がかかることは想像しやすいと思いますが、サービスを認知してから普段使いになるまでにも一朝一夕にはいかないでしょう。便利な仕組みを作るために、それなりの労力をかける必要があるのです。
上記のように新サービスが利用されるまでには、数々のステップがあります。ですので、それらのステップを完遂するための初期費用がかかります。
仕組みを作り上げるには、社内部署をまたぐ大きなプロジェクトになることが予想されます。一度に多くの部署が複数の作業を進めるので、仕組みができるまでのプロセスが複雑になってしまうでしょう。全体的な計画を入念に策定することが大切です。
オムニチャネルの仕組みを構築する際のポイントをご紹介します。
オムニチャネルの仕組みを一人で構築するわけにはいきません。多くの人が参加することを想定し、「誰が何をどのように対応するか」をロードマップを作成してわかりやすい形にしましょう。
お客様にストレスのない購買行動を起こしてもらうには、お客様の行動を知らなければなりません。想定される顧客像を設定し、自社商品・サービスの購入までの流れを細分化して分析しましょう。何をキッカケに購入するのか、もしくは離脱してしまうのかが見えてくるはずです。
理想の顧客体験が分かれば、あとは仕組み作りと既存システムとの連携です。現在までに収集している購入経路や購入履歴のデータを参考に、ストレスを感じさせずに購入まで誘導する仕組みを検討・構築しましょう。
仕組みを構築しても、すぐにリリースするのは危険です。エラーの可能性や実際の使い勝手を検証しなければ、顧客満足を得られる確信が持てないからです。実際に仕組みを導入した小売会社で発生した例ですが、商品は届いているのに、それを確認して手渡すスタッフがそこに配置されていなかった、なんていう初歩的なミスもあるので、ぜひリリース前のモニタリングを実施しましょう。
オムニチャネルについてまとめます。
オムニチャネルは、よりストレスなく購入してもらうための仕組み作りです。事業の拡大の際にぜひ参考にしてみてください。