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【担当者必読】最新のカスタマーサポート戦略の解説と事例2選を紹介

公開日 : 2023/01/24     /     最終更新日 :  2024/03/05


   カスタマーサポート ブログ

商品やサービスの機能性での差別化がますます難しくなっている現代のビジネスにおいて、自社ブランドのオリジナリティを示す場所としてカスタマーサポートが注目されています。カスタマーサポートといえば、従来は新聞やテレビ、雑誌の広告などが顧客との接点となり、電話やメール、店舗窓口が顧客からの問い合わせを受ける手段でした。

しかし、インターネットやスマホ、アプリなどが普及する中で、企業と顧客との接点は多様化し、コンタクトの方法も人によって異なります。カスタマーサポートを戦略的に活用することで、分散した顧客との接点を集約しビジネスに効果的に反映することが可能になります。

この記事では、

    • カスタマーサポート戦略の解説
    • 事例2選 【佐賀銀行】【bitbank】

 

をご紹介します。

カスタマーサポート業務の重要性とは?

カスタマーサポートとは、顧客からの問い合わせに対応することです。通常は会社内にカスタマーサポート専門の部署を設置し、対面での窓口対応や電話でのお問い合わせ受付、メールやチャットへの返信などが主な業務となります。顧客と直接のやりとりをおこなうため、対応が良ければ会社の印象がよくなりますし、逆の場合はクレームなどの原因にもなり得ます。

カスタマーサポートは、顧客から投げかけられた疑問をできるだけ素早く解消し納得してもらうことで、顧客満足度を高める役割を担っています。顧客のリアルな声を直に聞くことができるため、企業活動の発展には欠かせない部署でもあります。

カスタマーサポートには顧客の声がダイレクトに集まるため、ビジネスに活用しない手はありません。具体的な活用方法としては、顧客の声を反映した商品やサービスの開発があります。顧客から寄せられた商品やサービスに対する疑問点は、そのまま商品やサービスにおける改善すべき点と捉えることができます。顧客の声を反映させることで、より高品質な価値を市場に届けることを可能にします。

また、顧客の意見は顧客体験の向上にも活用可能です。顧客体験とは、商品の認知から購入にいたるまでの各接点における体験価値のことを指しています。顧客体験が向上することで、自社ブランドへのファン化を促進させ、リピート購入にもつながります。カスタマーサポートにて集まる顧客の声を上手に管理し活かすことができれば、企業のイメージアップやウェブサイトやSNSでの高評価の獲得にもなるはずです。

 

最新のカスタマーサポートの戦略について解説

1.カスタマーサポートチームのスキル強化

カスタマーサポートをビジネス戦略として活用するためには、サポートチームのスキル強化が必須です。顧客の声を引き出すためには、顧客の訴えに共感し、話を素直に聞ける傾聴力が求められます。特に不満などで怒りを感じている顧客に対しては、正論での返しは逆効果になりがちです。まずは冷静になってもらうためにひたすら話を聞く姿勢を示し、相手が落ち着いたところで気持ちに寄り添うことができれば、顧客の本音を聞き出すことができるはずです。生身の人間を相手にする場合、マニュアルにはない対応を強いられることもあるでしょう。

どんな顧客に対しても適切に対応できるスキルも欠かせません。そのためには、自社の商品やサービスに関する知識を日々蓄積するよう学習を重ね、顧客の欲している情報を的確に伝達するコミュニケーションスキルも必要になります。顧客が問い合わせてきた意図を的確に読み取り、該当する関連知識を頭に思い浮かべながら、顧客目線に立った分かりやすい表現方法に変換しながら説明をすることで、顧客に納得してもらえる対応になるはずです。

また、顧客満足を最大限にまで高めるためには、しっかりと時間をとり丁寧な対応をすることがベストな選択になります。ですが、現実には一人の顧客だけに付きっきりで対応することはできず、応答を待っている顧客も多くいるため、長い時間待たせるわけにはいきません。待ち時間が長いとそれだけストレスを溜めてしまうことになりますから、1つの対応に時間をかけすぎないよう短い時間で解決に持っていけるバランス感覚も養う必要があります。一つひとつのやりとりで相手が満足して気持ちよく会話を終えられることがカスタマーサポートに求められるスキルです。

 

2.迅速な対応と問題解決

不満のある顧客に対しては、時間を確保して話を聞くことが重要となりますが、中には単純に情報が欲しいという人もいます。情報が得られればそれだけで満足する人にとっては、丁寧すぎる対応は逆にストレスに感じてしまいます。顧客の意図を電話越しやメッセージ越しに読み取り、スピード感をもって的確な情報提供をすることが大切です。

 

3.CX(顧客体験)の向上

顧客体験とは、顧客が企業や商品の存在を知り、興味を持ち、実際に手に取り利用し、リピートするまでの流れの間に得られる体験のことを指しています。商品の存在を知ったときの印象、興味を持って電話やメール、チャットなどで問い合わせたときの対応の仕方、商品を実際に取って試した際に得られた効果などが顧客体験に該当します。

各プロセスでよい印象を受けた、よい効果を実感したという体験をすることで、顧客満足度が高まり、サービスや商品のファン化につながります。カスタマーサポートを強化することで、顧客体験の品質向上を目指します。

 

4.オムニチャネル化

顧客の購買までのルートが多様化している現代では、顧客とのあらゆる接点を網羅して、それらの接点を一元管理でアプローチすることが重要になっています。企業と顧客の販売経路をすべて統合し総合的に顧客へアプローチする方法がオムニチャネルです。顧客との接点は、すぐに思いつくだけでも店舗・電話・雑誌・広告・ウェブサイト・SNSなどがあり、消費者の購買行動が多様化しているのが分かります。どの経路を経て自社や商品との接点を持ったとしても、変わらない顧客体験を得られるような戦略を立てる必要があります。

 

5.カスタマーサポートツールの導入

上記であげた戦略のすべてをカスタマーサポートの担当者だけがこなさなければならないことは決してありません。最新のカスタマーサポートツールを導入することで、多くの課題はすぐに解決できるようになります。

例えば、AIを利用したチャットボットなどは多くの企業が導入をしており、電話での問い合わせ数の減少や、カスタマーサポート部署の残業時間の削減など、数値としても明らかな実績が出るケースも多くなっています。コストをかけて人材を配置しているのに、同じ質問への回答に毎日対応しているのは時間もお金も無駄といえます。

質問と答えを知識としてデータで揃え、チャットボットに適切な答えを判断・提案してもらうことができれば、単純な内容の問い合わせに対応する必要がなくなり、カスタマーサポート担当者はより重要な顧客への対応や複雑な問い合わせの対応に時間を割けるようになります。単純な疑問などについては機械が素早く自動的に回答し、複雑で込み入った課題については担当者が直接相談に乗ることで、顧客満足度のさらなる向上につながるはずです。

 

カスタマーサポートツール導入のメリット

カスタマーサポートツールを導入するメリットは、対応スピードの向上と担当者間の情報格差を埋められる点にあります。特別なスキルがなくても解決できるようなシンプルな対応についてはツールに任せればスピード解決につながり、一定水準での顧客満足度を獲得できるはずです。些細な問題を解決するのに10分も20分も待たされることがなくなるため、顧客にストレスを感じさせません。すぐに答えが見つかることはそれだけでよい顧客体験を生み出せるはずです。ツールを使えば他担当者の対応履歴もまとめて管理できるため、対応についての最新情報を短時間で参照でき、担当者ごとの知識量による情報格差を最小限におさえられるメリットもあります。

また、ツールは社内コミュニケーションの改善にも活躍します。社内でも問い合わせの多い質問事項についてはツールで解決できるように体制を整えれば、従業員の作業効率が高まり社内全体の生産性も向上します。ツールは顧客満足度だけでなく社内の従業員満足度も高めることができるのです。

 

最新のカスタマーサポート戦略の事例2選

1.佐賀銀行

株式会社佐賀銀行は、地域密着型の金融サービスの提供と健全経営で地域社会に奉仕することを目指している金融機関です。2021年に社内全体のデジタル戦略を包括的に管理することを目的に、デジタルイノベーション部が誕生し、顧客との接点の見直しと社内業務の効率化を進めています。

行内の課題としては、問い合わせに対する効率化や記録ができていない顧客対応が多々あることでした。顧客からの問い合わせは電話や窓口が中心で、ウェブサイトを見れば分かることも多い内容ではありましたが、回答には専門知識が必要であるため折り返し対応するといった非効率な動きが散見されていました。また、窓口への問い合わせの場合は口頭で済まされることがほとんどで、記録を取らないためフィードバックや見直しが困難な状況でもありました。

そこで、まずは顧客の自己解決を進めるためにFAQの設置から改革を始めました。ウェブサイトに散り散りに存在しているFAQをZendeskに集約し、営業店ごとに得られる問い合わせデータを追加で蓄積するようにしました。

また、問い合わせについてはFAQでの自己解決を前提に、慣れない顧客については行員がチャットで対応する体制を整えました。顧客がサイト内で自己解決するケースが増えており、前年比で毎月15%ほど電話での問い合わせを削減することに成功しました。

 

2.bitbank

ビットバンク株式会社は、ビットコインやイーサリアムを取引できる暗号資産取引所bitbankを運営しています。カスタマーファーストを掲げる同社では、サービスの運営開始と同時にZendeskが採用されました。クラウドの利用が可能なことと、グローバルな実績が決め手でした。

1日の問い合わせは400件を超えており、国内外からの問い合わせに対応するため、各言語での回答もデータとして用意しなければならないことが課題でした。Zendeskでは自動で使用者の言語で回答できる仕組みがあり、効率的な対応が可能になりました。

 

まとめ

ここまで、カスタマーサポートの戦略について解説しました。効果的な対応を実現させるには、担当者のスキルアップとともに、業務をサポートするツールの導入も有効です。カスタマーサポートによる顧客満足度向上を目指すために、ぜひツールのご検討もしてみてください。