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DX導入事例|日本国内・海外に分けて全15事例をわかりやすく解説

公開日 : 2022/05/18     /     最終更新日 :  2022/05/19


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DX 導入事例

「DXに取り組みたいけれども、何から始めればいいのかわからない」
「他社が実際どのように取り組んでいるのか知りたい」
このようにお考えではないでしょうか。

「データとデジタル技術を活用し、製品やサービス、ビジネスモデルなどを変革して競争上の優位性を確立すること」を意味するDX。2018年に発表された「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」のなかで、経済産業省が「DXこそが市場競争において優位性を確立するカギとなる」ことを示したことは、多くの企業に衝撃を与えました。しかしDXに取り組みたくても、何から始めればいいのか わからずにいる企業も少なくないようです。

そこで本記事では、日本・海外においてすでにDXに取り組んでいる企業の成功事例を15個ご紹介します。DXに失敗しやすい例もあわせて紹介しますので、これからDX導入を検討している企業の担当者は、ぜひご参考にしてください。

DX戦略について詳しく知りたい方は、こちらの記事も御覧ください!

【日本国内】DXの導入成功事例10選

まずは、日本国内におけるDXの導入成功事例として、10社をご紹介します。

トヨタ|製造業

日本全国に約280社もの販売会社、約5,600もの店舗数を抱えるトヨタ株式会社では、すべての販売会社で共通したオンプレミス型の営業システムを採用していました。しかし柔軟性に乏しく、販売店ごとに独自に操作変更や機能追加を加えるサイロ化が進んでいることに課題を抱えていました。

そこでトヨタでは、自社の基幹システムとCRM(Salesforce)をAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)上で連携させ、顧客情報の一元化を実現。オンプレミス・クラウドの区別なくデータを利用できる環境を販売会社ごとに整えることで、営業活動の効率化が可能になりました。

LIXIL|製造業

建材・住宅設備機器メーカーのLIXILでは、事業の変革と消費者のニーズに応えるため、そして従業員の新しい働き方を創造するために精力的にDXを推進しています。

たとえばCXの向上を目指し「LIXILオンラインショールーム」やビジネスパートナーと営業担当者が直接オンライン上でやり取りできるデジタルプラットフォーム「GROHE X」を導入。顧客体験と販売プロセスの効率化を実現しました。また機動的な組織構築に向け、多くの従業員がデジタル技術を使いこなせるように、従業員自らがノーコード・ローコードで独自のツールを開発して業務プロセスを改善できる取り組みも進めています。

FABRIC TOKYO|アパレル業

FABRIC TOKYOは、オーダーメイドのスーツやシャツを製造・販売するD2Cのアパレル業者です。

FABRIC TOKYOでは、実店舗で採寸したスーツやシャツのデータをクラウドに保管し、一度サイズを登録すれば自宅からオーダーできるシステムを構築。オーダーメイドのフィット感を重視しつつ、顧客の働き方やライフスタイルの多様化に寄り添う工夫をしています。

店舗で採寸した手書きデータは、スキャンで読み取りOCRにかけてデータ化することで、データ入力作業の省力化にも取り組んでいます。

長谷工コーポレーション|不動産

長谷工コーポレーションは、マンションの設計・施工から管理・運営まで幅広く手がける企業です。長谷工コーポレーションでは、PCの3次元空間上で建物を立体的に設計できる「BIM」を導入。業務のデジタル化を推進してきました。

2009年の導入当初は一時的に作業量が5倍になり、現場からは「CADに戻せ」と猛反発を受けます。しかし10年かけて試行錯誤を続けた結果、2020年には、100%のBIM設計を達成。今後は培ったBIMの技術を活用し、病院と協力して住民の健康を管理するマンションなどの展開を考えているそうです。

トライグループ|教育

トライグループは、「家庭教師のトライ」をはじめとした教育事業を手がける企業です。トライグループでは、より「個別最適」な教育の提供に向け、最新のAI教育やオンラインサービスを自社開発しています。

中高生向けのハイクオリティな映像授業サービス「Try IT」もそのひとつ。Try ITでは、時間・場所を問わずに受けたい授業をスマホやタブレットで視聴できます。リリース後、公式の会員登録数は100万人を突破。家庭教師や塾をサポートする役割を果たすだけでなく、映像授業のみを扱う塾が設立されるなど、新たな展開を見せているそうです。

メルカリ|フリマ

C2Cのフリマアプリを提供するメルカリは、DXでCXを向上させることにより、フリマアプリ市場で圧倒的地位を築きました。

たとえばそれまで主流だったヤフオクなどのオークション型サービスでは、入札されると価格が上乗せされるシステムがとられていましたが、メルカリでは交渉により価格が下がっていくシステムを導入。さらに相手の情報を聞き出すことなく発送を済ませられるシステムの構築や、スマホでの利用を前提としたUIにこだわるなど、CXの向上を念頭にDXに取り組むことで、大きな成功を収めたのです。

参考: メルカリに学ぶ(前編) |BayCurrent Disital Insights

ファミリーマート|コンビニ

コンビニチェーンのファミリーマートでは、短時間で決済を済ませたいという顧客ニーズを満たし、また省人化することで店舗オペレーションコストを低減させるために無人決済システムを導入しました。

このシステムでは、入店したお客と、手に取った商品を店内に設置されたカメラがリアルタイムで認識。決済エリアに立てば、ディスプレイに購入商品と金額が表示されます。あとは電子マネーで決済するだけで、スピーディに買い物を終えられます。

無人決済システムは、非対面決済の推進や、マイクロマーケットへの出店を可能にするなど、顧客の利便性の向上と新たな店舗形態の創出への貢献が期待されています。

鹿児島銀行|金融

鹿児島県の地銀「鹿児島銀行」は、完全キャッシュレス施設「よかど鹿児島」のオープンにあわせ、2019年6月にオリジナルのスマホ決済アプリ「Payどん」の提供を開始しました。

よかど鹿児島に入店する店舗では現金が使用できず、Payどんやクレジットカード、各種電子マネーでしか決済できなくなっています。Payどんで決済するには同行の口座登録が必要ですが、一度登録してしまえばQRを見せたり読み込んだりするだけで、口座から即時決済が可能になります。

同行では、利用者の決済データを集積・分析し、企業のマーケティング支援にも生かすことで、2021年2月には加盟店が約5,500店舗に達しました。3年後の2024年にはアプリ利用者15万人を目標にしているそうです。

Japan Taxi(日本交通)|タクシー

タクシー事業を運営する日本交通株式会社の子会社日交データサービス(当時)は、自社だけではなく他社のタクシーも配車できる日本初のタクシー配車アプリ「全国タクシー」を開発。その後社名変更と同時に「Japan Taxi」と名を変えたアプリは、タクシーを配車できるだけでなく、事前に決済手段を登録することで目的地に到着したときに車内で支払のやり取りを不要にしました。

タクシー代の現金精算が減ると、乗務員の作業負担の削減にもつながります。2019年には日本交通の決済の約6割が現金以外となったそうです。

※現在Taxi JapanアプリはDeNAのアプリ「MOV」と統合され、「GO」への一本化が進められています。

日立製作所|電機メーカー

世界的な電機メーカー日立製作所では、自社の先進的なデジタル技術を用いた社内での取り組みや、お客様と共創した今までにない新たなソリューションを「Lumadaソリューション」として展開。たとえばIoT技術やデータ分析などを活用し、開発・設計から納入後の運用・保守までを全体最適化する取り組みをソリューションとして提供するなどしています。

コロナ禍においては、テレワークを支援する社内のデジタル環境を強化すると同時に、リモート・非接触・自動化に役立つデジタルソリューションを提供することで、顧客のニューノーマルな生活様式への移行を支援しています。

【海外】DXの導入成功事例5選

続いて、海外におけるDXの導入成功事例を5つ紹介します。

Amazon|小売

グローバルなネット通販ショップAmazonは、DXを通して最高のCXを提供。たとえば「今すぐ買う」ボタンを設置し、1クリックで注文を完了するシステムを構築し、ユーザーの手間を最小限に抑えています。Amazonフレッシュではスーパーマーケット「ライフ」と提携することで、野菜や肉などの生鮮食品を購入できるようになりました。対象地域は限られるものの、最短2時間で購入した商品を届けてもらうことが可能です。

Amazonでは、顧客がお買い物にかける手間と時間をできるだけ排除し、利便性を追求し続けることで、絶大な支持を得ているのです。

Uber|タクシー

Uber Eatsの印象が強いUberの基幹事業は自動車配車サービスです。Uberの配車サービスの特徴は、配車されるのが一般的なタクシーではなく、Uberに登録している個人の自動車であることです。

Uberアプリで配車を依頼すると、ドライバーの情報や現在地、配車にかかる時間などが表示されます。行き先を指定して配車するので、ドライバーに行く先を告げる必要もなく、料金はUberアプリを通して決済されるため、現金のやり取りも不要です。ドライバーと利用者は、互いに評価し合えるシステムとなっているので、両者が節度を守って利用するサービスとして、海外では広く定着しています。

Airbnb|民泊

Airbnbは、使っていない部屋を貸したい人と、旅先などで部屋を借りたい人をマッチングするプラットフォームです。

Airbnbでは、個人の自宅の空き部屋や、使用していない別荘などを選んで宿泊できます。そのため「現地の暮らし」に近い過ごし方をしたり、ホストとの交流を楽しんだりするなど、ホテルや旅館を利用するのとは異なる宿泊体験をできるのが特徴です。

Airbnbは、貸し手と借り手のニーズをデジタルでマッチングさせ、アプリで完結させる仕組みを構築することで、自社としては1室も在庫を持つことなく巨大な宿泊ビジネスを生み出したのです。

Coloplast|医療

Coloplastは、ストーマ用装具(人工肛門)の知見が高い、デンマークの医療用装具の開発・製造メーカーです。

Coloplastでは、人工肛門を保有している人の負担を軽減するために、日々のメンテナンスを支援するアプリを開発。ユーザーに「通知」「正しい行動」「データ追跡」の適切な管理を促し、健康習慣を定着させることを目指しました。

実証実権の結果、半数の治験者が「ルーチン管理が簡略化された」と実感。約8割が「満足した」と回答したそうです。

Netflix|動画配信

世界最大規模の動画配信ビジネスを行うNetflixは、店舗を持たない小さな宅配型レンタルビデオ屋としてその社歴をスタートしています。その後Netflixは月額20ドルで月6本までDVDを借りられるサブスクリプションサービスを創設。延滞料を不要とする代わりに、返却しなければ次のDVDを借りられないシステムを構築します。

そしてNetflixは、DVDをレンタルする手間すら排除するために、動画のストリーミングサービスの提供を開始して今に至ります。

Netflixは、DVDのレンタルの効率化をIT化で進めるのではなく、デジタルを中心にビジネス自体を変容させたことが「DXそのもの」と言われています。

自治体のDX導入事例

企業だけではなく、自治体においてもDXの導入は進んでいます。

北海道北見市では、BPRと組み合わせることでバックヤードだけではなく受付窓口のシステム化を推進。職員が来庁者の本人確認を行い、必要な証明書を聞き取りながら申請書の作成を支援する「書かない窓口」や、手続きを住民異動窓口に集約して複数の課で何度も本人確認する手間を省く「ワンストップ窓口」を実現しました。

神奈川県平塚市では、2019年(令和元年度)には紙媒体で実施したプレミアム商品券事業を、2020年(令和2年度)には電子化。事業規模が約8億円から15億円へと倍増したにもかかわらず、事務経費は1億4,800万円から5,400万円へと約3分の1に縮減しました。さらに消費者の消費行動がデータ化されたことにより分析が容易になり、施策の評価や企画立案が可能になりました。

DXの導入失敗事例

DXは、必ずしも成功するとは限らず、失敗することもあります。よくある失敗事例を2つご紹介します。

システムを一気に刷新してしまう

多くの企業にとってDXは最優先課題であることから、他社に遅れを取るまいとの気持ちが強く、社内にあるシステムを一気に刷新してしまうことがあります。しかしそうすると、万一トラブルが生じた場合に、全社的に混乱してしまいます。

最初に大きなコストを投じてしまうと、うまくいかなかったときに方向転換したり引き返したりする判断を取りにくくなることも。その結果損失が膨らんでいくことも考えられるでしょう。

そのような事態を避けるためには、まずはカスタマーサポートにチャットボットを導入する、社内コミュニケーション用ツールを採用するなど、小さなプロジェクトからスタートし、徐々に広げていくことが大切です。

短期的な効果を求めすぎている

「DXに取り組んだのにまったく効果がでない」といった声もよく聞かれます。そういった場合の多くは、DXを単なるIT化やデジタル化と捉えていることが少なくありません。

しかしそもそもDXは、ビジネスモデルや製品・サ−ビス、そして組織や企業文化・風土にまで至る、企業全体の変革が求められるものです。業務やプロセスのIT化やデジタル化は、あくまで手段であって目的ではありません。

DXに取り組むときには、取り組みを始めたからといってすぐに効果が得られるものではないとの理解が必要です。DXは5年後、10年後の「自社のあるべき姿」を思い描いたうえで、中長期のビジョンをもって取り組むべきものなのです。

まとめ

日本や海外におけるDXにおける成功事例を、15個ご紹介しました。成功事例を通してわかることを、3つにまとめました。

  • DXに成功するには、「DXを通して何を実現したいのか」目標を持つことが大切
  • CXを高めることが、DXによる市場優位性を勝ち取るカギを握る
  • DXは中長期的なロードマップを描いて取り組むことが大切

DXを、単なるIT化やデジタル化と捉えていると「成果がでない」と思い悩むことになります。IT化やデジタル化はあくまでDXを成功させる手段であり、その先にどのような世界を思い描いているのか、目標を明確にしておくことが重要です。今回の記事を、貴社でDXに取り組む際のご参考にしていただけると幸いです。