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顧客満足度の調査方法は?指標や調査を成功させるための方法を解説

公開日 : 2022/11/10     /     最終更新日 :  2024/05/27


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顧客満足度についての調査はビジネスにおいて欠かせないものになってきています。ですが、調査方法に悩まれている企業は多いようです。確かに商品やサービスに対する顧客の満足の程度は目に見えないものであるため、把握しづらいものではあります。しかし、アンケートなどを駆使することで、顧客の満足度を数値化して正確に近い精度で把握できるようになります。調査から得られた結果を活用することで、リピーターを増やすことも可能です。この記事では、顧客満足度の調査方法や調査を成功させるためのコツについて解説します。

1.顧客満足度調査(CS調査)とは?

(1)顧客満足の度合いを数値化

顧客満足度とは、自社の商品やサービスに対する顧客の満足度の程度を数値化したものです。顧客満足の英訳であるCustomer Satisfactionを略して、CSとも呼ばれています。
商品やサービスに対する顧客満足度は会社の業績に大きく影響を及ぼすとされており、近年では顧客満足度をいかに高められるかも商品やサービスの開発をする上で重要なポイントとなっています。
顧客満足度が注目される背景としては、企業の商品開発と消費者の情報収集に変化が生じているからです。商品開発については、かつては機能性の高い商品や新しい機能が追加された商品を開発すれば注目され販売することができましたが、現代では開発技術の発達と競争の激化により、商品の機能の違いを消費者が認識しづらい状況になっています。
また、消費者の情報収集について、かつてはテレビ番組で取り上げられた情報やCMで放映された情報を元に購買をしていましたが、ネットやスマホなどの技術進化により、事前に口コミを確認できるようになり、すでに他者が体験し評価をしていて、効果が確かなものと分かってから購入するなど、消費者の購買行動はより複雑になっている傾向があります。
開発した商品を消費者に届けるには、その商品を実際に使った人が満足していることを調査・確認し、その結果をすでに購入している顧客やまだ購入していない消費者に適切に伝える必要があるのです。

 

(2)顧客満足度調査のメリット

顧客満足度を調査することで得られるメリットは、リピーターの増加・LTVの改善・新規顧客の獲得です。顧客満足度調査の目的は、提供する商品やサービスに対する課題を見つけ、改善することにあります。商品やサービスの品質を改善し向上させることができれば、顧客の定着率を上げ、リピーターの増加に繋げることが可能になるからです。リピーターが増加することで、LTVを改善する効果を得ることができます。
LTVとは生涯顧客価値と訳されるマーケティング指標の一つで、一人の顧客が生涯(取引の開始から取引の終了まで)の間に企業に生み出す収益のことを指しています。リピーターとなれば商品を複数回購入するため収益の増加になりますし、企業への信頼が高まるため他の商品の購入も訴求することができます。顧客満足度を向上させ、顧客との関係を継続することができれば、より安定したビジネス展開を推し進めることができるのです。
商品やサービスに満足感を得た顧客は、口コミを投稿して商品やサービスの良さを発信してくれます。口コミは新規顧客をサポートしてくれる、無料の広告宣伝の役割を果たしてくれます。商品の購入を検討している消費者は口コミを見ながら他商品との比較をおこないますが、良い口コミが多ければ、迷っている消費者の背中を押してくれます。顧客満足度調査を上手に活用することで、収益を底上げできるメリットがあります。

 

(3)顧客満足度をはかるための指標

顧客満足度をはかるための指標には複数の種類があります。その理由としては、顧客の満足感というのは主観によるところが大きく目に見えるものではないため、多方面から分析する必要があり、企業が何を顧客満足と定義するかによって必要な分析方法も異なるからです。
ここでは顧客満足度をはかるための代表的な3つの指標をご紹介します。
1つ目は近年注目が高まっているNPSです。NPS(Net Promotor Score)は正味推奨者比率の英訳で、友人や知人に商品を紹介したい度合いを数値で評価するための指標です。0〜10のスコアで商品やサービスの推奨度を評価してもらい、推奨者の割合を算出します。NPSの値が高ければ顧客満足度が高く、NPSの値が低ければ商品やサービスに課題があることを示します。
2つ目はJCSIです。JCSIはCustomer Satisfaction Indexの日本版で、国家プロジェクトによって開発された顧客満足度を評価する指標です。顧客期待・知覚品質・知覚価値・顧客満足・推奨意向・ロイヤルティの6項目で評価をおこない、業種・業態の垣根を越えた満足度調査や比較が可能です。評価が複雑かつ大規模なものであるため、大企業や自治体向けの評価基準でもあります。
最後はLTVです。LTV(Iife Time Value)は生涯顧客価値の英訳で、一顧客あたりが生涯に渡っていくらの収益を会社にもたらすかを算出するための指標です。上記2つのように直接顧客の意見を聞く訳ではありませんが、LTVの数値が大きいほど商品の購入額が大きく契約期間が長いことを示しているため、金額の大きさから顧客満足度を評価することができます。

 

2.顧客満足度調査(CS調査)の方法

顧客満足度調査の方法は主に3種類あります。自社での実施かリサーチ会社への外注、もしくは外部機関の調査結果の活用です。

 

(1)自社で行う

自社でおこなう調査の中で、最も手軽な方法は顧客へ直接ヒアリングをおこなうことです。日々顧客と接する機会の多い営業担当やカスタマー担当が、直接顧客へ商品やサービスの満足度を確認します。共通のプラットフォームや書式を用意して記録できるようにすれば、すぐにでも調査を開始することができます。ヒアリングを習慣化させることで、データが集まるようになれば、サービスに対する満足度の傾向をつかむことができるはずです。
直接のヒアリングである程度コツが掴めてきたら、ハガキや電話、ネットを通じてより広範囲にアンケートを実施します。いきなり大掛かりなアンケートをすると、回答なしでデータが取れない可能性があるため、はじめは一つの質問でも良いので、手軽に答えられるアンケートの作成がおすすめです。
回答率の高いアンケートを作成できるようになれば、ユーザーインタビューを取り入れると、より効果的な満足度調査ができるはずです。インタビューではアンケートではできない対話ができるため、顧客の考えを深掘りして、より顧客に対する理解が進むことでしょう。

 

(2)リサーチ会社に外注する

満足度調査の方法としては、リサーチを専門にしている会社に外注することも可能です。専門の会社にはアンケートについてのノウハウが蓄積されていますので、有効な設問設計や、自社で抱えているモニターにアンケートすることも可能なので、より公平な評価を得ることができます。
予算はあるけど社内で担当できる人材を確保するのが難しい、より効果的なアンケートの設計を検討したい、自社で顧客情報を保有していないため顧客へのアプローチ方法を探している、といった課題がある場合におすすめの調査方法になります。
リサーチ会社を選ぶ際は、リサーチ会社が抱えるアンケート回答者の規模、回答者の質、リサーチ会社が制作するアンケート画面の見やすさをチェックすると良いでしょう。回答者数の規模については、規模が大きいほど得られる数値の信憑性が高まります。回答者の質というのは、重複登録や悪質回答が少ないことを指しています。どのような対策をしているのかを確認しておくと良いでしょう。アンケート画面の見やすさは、そのまま回答の得られやすさに影響を与えます。スマホ対応しているツールを使用しているかなどをチェックします。

 

(3)外部機関の調査を活用する

顧客満足度調査は社内で実施するものだけではありません。雑誌やメディア、業界団体でも満足度調査はおこなわれています。社内だけでなく、外部機関の調査も活用することで、より公平で偏りのない調査結果を分析することができます。
代表的な調査としては、上記でご紹介したJCSIがあります。JCSIでは30,000人以上のモニターを対象に、100以上の設問を用意したアンケート調査をおこなうため、調査の精度としてはかなり高いhttps://www.jpc-net.jp/ものになります。この調査では、業種や業態を越えた満足度調査の比較が可能になる反面、各業界大手の大企業が調査対象とされる一面があります。
業界内の動向を分析するには良い材料ではありますが、自社についての調査結果を確認する場合は他の機関による調査を探す必要があります。中小企業であれば、口コミサイトや自社商品を販売している通販サイト、商品比較サイトなどに寄せられるコメントやレビューなどが参考になるでしょう。

 

3.顧客満足度調査(CS調査)を成功させるためには?

(1)何のために調査をするのか明確にする

顧客満足度を調査するメリットはリピーターの獲得や収益の向上ですが、調査をするだけではメリットを獲得することはできません。調査で得られた結果をもとに改善する、強みを伸ばす施策を実施することによって、初めて顧客の購買行動や収益に変化をもたらすことができます。
調査をする前に、何のために調査をするのかを明確にすることが大切です。具体的には、顧客満足度調査をすることで何を知りたいのか、結果を受けてどのようなアクションをするのかを明確にします。顧客満足度調査で得られる結果の例としては、商品やサービスに対する評価、満足と評価する要因と不満足と評価する原因、回答したユーザーの特徴や属性、他社商品との比較評価などがあります。 良い評価の場合のアクションはどうするか、悪い評価の場合はどのように改善を進めていくのか、調査のその後をあらかじめ決めておくことが、調査を成功させるためには大切です。

 

(2)調査対象者を決める

顧客満足度調査の目的を明確にしたあとは、調査の対象者の検討をおこないます。ランダムな調査をおこないたい、見込み客になりそうな人の回答が欲しい、既存顧客の意見を参考にしたい、商品の継続購入をストップした人の理由を聞きたいなど、実施する顧客満足度調査の目的に合致した対象者を選定することが重要になります。
例えば、初めて自社の商品を手にして購入までしてくれた人に理由を聞きたい場合、過去に購入履歴のない人を調査の対象にしなくてはなりません。すでに継続購入をしている人や過去に購入履歴がある人に同様のアンケート調査をおこなうと、回答に偏りが出てしまうため、公平な調査ではなくなってしまう恐れがあります。
購入経験のある回答者が多ければ満足を示す回答が多くなることが予想されますので、不満を示す回答があったとしても、重要視されずに埋もれてしまうことでしょう。意見の偏りが予想されるような調査では、改善の機会を逃すことにもなりかねないため、調査対象者の検討には注意が必要です。

 

(3)調査手法・指標を決める

顧客満足度調査の手法や指標は複数ありますが、目的の達成と調査に十分な数の対象者を確保できるような方法を選ぶ必要があります。調査手法で最もポピュラーなものとしてはアンケートやWEBアンケートがあり、多くの回答を獲得できる手法です。
また、購入者などへより深掘りした意見を求める場合はインタビューなどが適切です。アンケートの場合は手軽に回答できるように、設問数を少なくする、ストレスなく回答できるようレイアウトを見やすく工夫すると、回答数や回答率を上げることができます。インタビューの場合はコミュニケーションをとりながら進めることで課題の深掘りができ、新たなアイデアに繋がる意見を聞ける可能性があります。 指標としては、先にご紹介しているJCSIやNPSを利用します。JCSIは業界を越えて満足度を比較できるため、大手企業の場合はJCSIを事業の営業目標に設定するケースも多いです。NPSは商品やサービスへの定着度を数値で把握することができるため、近年の顧客満足度調査では多く採用されています。

 

(4)分析方法を決める

調査手法と指標が決まれば次はアンケートの質問を設計するのですが、その前に、得られた回答の分析方法まで決めておくと、意図が明確な質問を設計することができます。詳しくは後述しますが、分析方法には単純計算・クロス計算・ポートフォリオ計算の3種類があります。
単純計算は数値の平均値などを算出するため傾向をつかむのに適しており、クロス計算は複数の項目の関連性を把握するのに適しています。ポートフォリオ分析は縦横の2軸を基準に結果の分布を表示させ、改善項目の優先度を把握するのに優れています。顧客満足度調査の目的と照らし合わせながら、適切な分析方法を選択します。

 

(5)質問を設計する

分析方法まで決まれば、アンケートの質問内容の検討に移ります。調査の目的が決まっていれば、おのずと質問する内容もある程度絞られてはきますが、評価をする質問とその理由を伺う質問を織り交ぜると良いでしょう。
評価の質問とは、満足の度合いや不満を数値で回答してもらうための質問です。評価の後に、理由を記載してもらうことで、課題や改善点を明確に把握することができます。なお、評価の理由を記載してもらう際は、記述式よりも選択式の方が選ぶだけで良いため回答率を高められます。想定される良い評価の理由と悪い評価の理由それぞれを事前に洗い出しておき、それ以外のものを記述式で記入してもらえば、自社で気づけなかった課題の発見につながることでしょう。

また、質問を設計する際は、読者目線に立っていかに回答しやすいアンケートに仕上げるかが重要なポイントになります。理由としては、アンケートに回答することは非常に手間のかかることなので、見にくかったり分かりづらかったりするだけで回答率が下がってしまうからです。たとえアンケート回答に特典や報酬を付けたとしても、質の良くないアンケートだと、正直な回答を得られない場合もあります。アンケートに回答目安時間を記載する、目的とズレる質問は削除する、記述式の質問を少なくする、回答例を入れる、事例列になるように質問を組み立てるなど、ストレスなくスムーズに回答できるような工夫を盛り込むようにするのがおすすめです。
なお、質問内容について、自社だけでなく他社についての項目も設定しておくと、他社の商品やサービスとの比較が可能になります。比較対象になりそうな商品やサービスを想定し、それらの使用経験や評価、違いなどを質問することで、差別化をするための参考意見を得られるはずです。

 

(6)顧客データの取り扱いを明確にする

アンケートが完成すれば、あとは調査を実施するだけになりますが、アンケート調査を通して取得する顧客データの取り扱いには注意する必要があります。アンケートで得られる回答内容は個人情報保護法の対象となる情報になりますので、回答してもらう前に、個人情報を利用する目的や範囲についての説明をおこない、承諾を得られてからアンケートを開始します。
顧客満足度調査にモニターを募集する場合は、モニターに登録してもらった時点で個人情報の取り扱いについての説明をおこない、承諾を得る必要があります。アンケートに回答してもらう際は、調査の目的や公開方法、管理方法についての説明をおこない、同意を得た上で調査を進めます。調査を外部に委託する際にも注意が必要です。管轄する自治体の条例に従い、適切なデータ管理をしていることを確認した上で委託するようにしましょう。また、アンケート結果を公表する際は、結果を集計して算出するなど個人の特定ができないような処理もあわせておこないます。

 

(7)調査が目的にならぬよう注意する

顧客データの取り扱い以外の注意点としては、調査をすること自体が目的にならないように設計を進めることです。レイアウトにこだわり、回答しやすい質問をアンケートに盛り込むことで、回答率の高い調査を実現することができます。
しかし、顧客満足度調査の最終的なゴールは、調査結果を元に商品やサービスの改善をおこない、顧客満足度の向上と自社ブランドへの定着率を高めることです。調査を実施し、納得のできる回答や想定した回答を得られることに満足して終わりにしては、せっかくの調査をその後のビジネス展開に活かすことができなくなってしまいます。アンケートの設計を進める際は、調査の目的を随時振り返りながら、次のアクションを見据えた設計を心がけることが大切です。

 

4.顧客満足度調査(CS調査)を分析する

顧客満足度調査の結果を得られたら、満足度についての傾向などを把握するために、多面的に分析をおこないます。結果の集計だけでなく、アンケートに回答してくれたモニターについてのデータも組み合わせることで、より詳細な気づきを得ることができます。

 

(1)単純計算による分析

最も基礎的な分析方法は、単純計算による分析です。単純計算とは、数値として得られた結果の合計や平均値を計算することです。単純計算による分析をおこなうことで、得られた回答の母数を確認する、顧客の回答についての傾向を把握するための分析方法です。得られた数値を円グラフや棒グラフに置き換えることで、全体の状況をより分かりやすく把握できるようになります。

 

(2)クロス計算による分析

単純計算よりも深堀した分析をおこないたい場合は、クロス計算を活用します。クロス計算とは、年齢や性別、年収や居住地などの項目を組み合わせて、分析に必要なデータを算出することです。項目ごとに算出されたデータを元に、相関関係や項目別の差異などを確認することができます。
例えば、年齢や性別の違いによる満足度の変化、店舗から居住地域までの距離と購買行動の関連性、継続購入をする顧客の属性の精査、新規で商品を購入する顧客の傾向、価格に不満を感じているが他で満足している項目はあるのかなどです。
顧客データを組み合わせることで、複雑かつ精密な分析が可能になります。単純計算だけでは発見できない自社商品やサービスの課題を洗い出すことに繋がります。細かく分析をすることで、改善策を打ち出す際も、大衆的なものではなく個人に刺さるようなより効果的な対策を企画することができるでしょう。

 

(3)ポートフォリオを構築した分析

分析結果を次のアクションに移すためには、ポートフォリオを構築した分析方法が有効です。ポートフォリオという言葉は就活や金融で使われる言葉ですが、作品集や資産構成を示す「一覧」としての意味があります。分析結果を一覧としてまとめ、改善などアクションをすべき優先度を検討していきます。
具体的には、満足度を縦軸に、重要度を横軸に置いた表を作成し、顧客満足度調査から得られた結果を当てはめていきます。満足度が高く重要度も高い領域にある回答は重要維持領域として、顧客を離さないための施策をおこないます。満足度が高く重要度が低い領域にある回答は維持領域として、急ぎアクションする必要はないが顧客定着の努力は続けます。
満足度が低く重要度が高い領域にある回答は重点的な改善領域として、最優先で改善策を講じる必要があります。満足度が低く重要度も高い領域にある回答は改善領域として、急務ではありませんが改善の必要性があります。優先度は異なりますが、どの領域においても何かしらの施策が必要になりますので、順にそれぞれ適した対策を実施していきます。

 

5.顧客満足度調査(CS調査)結果を活用するためには?

顧客満足度調査を効果的に活用するには、顧客目線に立って施策を講じていくことが大切です。

 

(1)変化をキャッチする

1つ目の活用方法としては、同じ設問のアンケート調査を定期的におこなうことです。定点調査とも呼ばれる活用方法ですが、同じ内容の設問を定期的に顧客に投げかけることで、顧客の心情の変化を早期に察知できるメリットがあります。
全く同じ顧客がアンケートに答えている訳ではないため、調査で得られる数値には多少の誤差がありますが、満足度評価に著しい低下が見られるなど、誰が見ても明確に数値の変化があらわれている場合、早急な対策を取ることができます。定点調査をしていなければ、顧客満足度の低下に気づかず放置することになりますので、いつの間にか原因もわからず顧客離れが進んでいってしまいます。顧客の異変に気づけるように、定期的な調査を実施するようにしましょう。

 

(2)顧客の心情を把握する

2つ目の活用方法は、顧客の心情を把握するための利用です。顧客の満足度は商品やサービスの価値や効果が期待するよりも高かった場合に向上します。ですので、顧客満足度を高めるためには、現在顧客が自社の商品やサービスにどのような感情を抱いているのかを知り、改善を加え、その期待値を上回る商品やサービスを提供する必要があります。
会社を運営する目的は利益を上げることではありますが、利益偏重な商品開発や営業、機能性のあるものだからきっと満足してくれるだろうという一方通行な考えのもと商品を届けても、顧客の満足度を高めることはできません。顧客満足度調査を通して自社の商品やサービスに対する顧客の心情を把握し、顧客の期待値を超えることで、顧客の満足を獲得することができます。商品の機能だけでは差別化が難しい現代において、顧客の心情把握と心揺さぶる商品やサービスを届けることが、顧客と継続的な関係を築くためのカギとなります。

 

(3)顧客との接点を重視する

3つ目の活用方法は、顧客との接点を認識し、強化の対象として重視することです。顧客満足度調査の目的の一つには顧客との関係性の改善も含まれています。現代における商品やサービスと顧客との接点は多岐に渡り、店舗で直接対面することはもちろん、電話やメール、SNSやアプリなどがあります。SNSやアプリなどインターネットを介した接点だとしても、顧客目線に立った対応ができなければ、顧客満足度を大きく下げる要因となり得ます。
例として、店舗での接客は丁寧だったのにメールになると返信がこない、電話が長時間通じない、ネットで商品情報を探しても見当たらないといった状態であれば、顧客満足度が下がるのも無理はありません。リアルもネットも関係なく、顧客との接点となるのであれば、変わらない品質の顧客体験を提供する必要があります。近年では顧客満足度を高めるための管理ツールもありますので、店舗以外での満足度を高めたい場合は、利用する価値はあるはずです。

 

(4)顧客以外の満足度も調査する

補足として、顧客満足度についての課題を見つけたい場合、顧客以外の満足度を調査することもおすすめです。具体的には、商品やサービスの案内をする従業員や代理販売などを委託している取引業者などです。彼らも顧客と同様に毎日のように自社商品やサービスに関わっているため、彼らの意見や心情を聞き取ることで、顧客への調査では気づかないような課題を提供してくれることがあります。
顧客へのアンケートの場合、継続的に付き合いのある顧客ほど良い回答になってしまい、課題を見つけるという目的には適さないケースもあります。些細な課題でさえも洗い出しをおこない、改善に繋げようとする際は、顧客以外の満足度もあわせて調査すると良いでしょう。

 

まとめ

顧客満足度の調査方法について解説しました。すでに顧客満足度をはかるための指標や方法は確立されているため、正しい手順で調査を進め、調査結果を上手に活用することで、顧客とのコミュニケーションや収益に変化をもたらすことができるでしょう。顧客満足度調査は活用できる指標も多く、深掘りしようと思えばいくらでも作り込むことができますが、調査自体が目的になってしまうのには注意が必要です。自社に必要な調査を必要なだけ設計するようにしましょう。
Zendeskでは、顧客満足度を高めるための問い合わせシステムや、従業員の使いやすさを重視したカスタマイズ可能な顧客管理システムの活用が可能です。顧客満足度の調査を検討している、顧客満足度の向上にデータを活用したいとお考えの際は、ぜひご相談ください。