導入事例・ブログ
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公開日 : 2024/05/13 / 最終更新日 : 2024/05/20
近年、企業が高めるべき指標の一つとして新たに注目されているのがEmployee Experience (EX)です。日本語では「従業員体験」と表現されますが、なぜ注目されるのか、具体的に何をすれば向上するのかよくわからない…という方も多いのではないでしょうか。EXとは何か、また働き方改革としても注目されるテレワークとの関連性についてわかりやすく解説します。
目次
従業員体験、略してEXとは、従業員が会社の中でするさまざまな経験を差す言葉です。従業員は企業内で、良いこと・悪いこと含めさまざまな経験を積み重ねていきます。またそうした経験に伴って、感情も揺り動かされるでしょう。経験そのものに加えて、従業員が抱いた感情や感覚もEXには含まれています。
企業がマーケティング活動を行ううえで、重視される機会も増えてきたのがCustomer Experience(CX)、つまり「顧客体験」です。顧客満足度を高め、企業に対する愛着や信頼性を深めてもらうため、向上に向けたさまざまな取り組みを実施している企業も多いでしょう。カスタマーサポートの充実も、その一つです。
EXはその従業員版と言えます。グローバル企業を中心に少しずつ広がってきた概念で、日本の企業においても徐々に定着しつつあります。EXを構成する要素としては、以下のようなものが挙げられます。
・就職面接
・入社研修
・日常の業務
・職場の人間関係
・勤務体系
・評価体系
・福利厚生
・企業文化
・報酬
・ワークライフバランスの充実
職場における非常に幅広い経験によって、従業員一人ひとりのEXが構成されています。
ではいったいなぜ今、EX向上が求められているのでしょうか。その理由として挙げられるのが、以下の2つです。
日本において、今後より深刻な課題になると言われているのが労働力不足です。労働人口の減少に負けず、より優秀な人材を確保するためには、EX向上が欠かせません。実際に働いている人の満足度が高い状態であれば、「自分もぜひこの会社で働いてみたい」と考える人も増えるでしょう。
また終身雇用制が崩壊した今、「今の職場よりも良い環境が見つかったら、転職しても良い」と考える人は決して少なくありません。転職が当たり前になった今だからこそ、優秀な人材を確保し続けるための努力をする必要があります。条件面で常に他社を圧倒し続けるのは難しいかもしれませんが、EX向上により会社そのものに愛着を抱いてもらえれば、人材流出リスクを最低限に抑えられるでしょう。
生産性向上やより充実した顧客体験を提供するためには、従業員一人ひとりのパフォーマンスを上げる必要があります。EXはこの部分にも深く影響していると言われています。「この会社で働いていて良かった」と思える経験が多ければ多いほど、「この会社のために頑張ろう」という意識も芽生えやすくなるでしょう。CX向上や業務効率化にもつながりやすくなると言われています。EX向上は、競合に負けない力を身に付けるためにも必要なポイントです。
2020年のコロナ禍以降、日本でも爆発的に増えたのがテレワークです。多様化するニーズに対応するため、より柔軟な働き方としてテレワークを推進する企業が増加。自分の生活に合わせた働き方を選択できるようになったことで、EX向上に成功した事例も少なくありません。自身の働き方に「柔軟性」や「効率性」を重視する人が増えている今、従業員の想いに沿った流れと言えるでしょう。
一方で、これまで「企業内で仕事をする」ことを当たり前に考え、EX向上に向けた取り組みを進めてきた企業にとっては、新たな課題が生まれています。会社で仕事をする場合と、自宅でテレワークをする場合、従業員が会社に求めるものは大きく異なるもの。「テレワーク中にEXを向上させるためには何をするべきなのか?」について、真剣に検討する企業も増えてきています。
自身のライフスタイルに合った働き方を選択できること、またその働き方を通じてより良い体験ができること。2つの視点で具体的な取り組みを進めていけば、効率の良いEX向上を目指せるでしょう。「EX向上のためにまず何からすれば良いのかわからない…」という場合には、テレワーク環境を整え、相乗効果を狙うのがおすすめです。テレワーク中の従業員に対して、「勤務態度を把握しづらい」という課題を抱える企業は少なくありません。EX向上により企業に対する愛着を深められれば、高いモチベーションを持って仕事に取り組んでもらいやすくなります。
EX向上とテレワーク環境の整備、相乗効果を狙うためには、具体的に何をすれば良いのでしょうか。4つのポイントを紹介します。
従業員が会社以外でも快適に仕事できる環境を整えるために、必須となるのが各種クラウドツールです。さまざまな情報や業務をオンライン化することで、業務をスムーズに進められます。特に積極的に導入を検討したいツールは、以下のとおりです。
・Web会議ツール
・ビジネスチャットツール
・勤怠管理ツール
・ファイル共有ツール
・グループウェアツール
・リモートアクセスツール
また年末調整など、企業と社員にとって負担の重い業務のオンライン化を進めるのもおすすめです。テレワーク中の従業員でも対応しやすくなりますし、テレワーク以外の従業員のEXも向上しやすくなります。DX推進にも、ひと役買ってくれるでしょう。
テレワーク中の課題として挙げられるのが、「何か問題が発生したときも基本的には社員が自分で解決しなければならない」という点です。テレワーク中のトラブルへの対応を念頭において、事前にヘルプデスクを整備しておくことで、社員はより安心してテレワークに取り組めるようになるでしょう。社内問い合わせで解決した問題をナレッジとして蓄積・共有していけば、ヘルプデスク業務の効率化にもつながります。自分にとって必要な知識をすぐに得られる環境は、EX向上に役立つはずです。
柔軟性や効率性という意味で、EX向上に役立つテレワーク。一方で、上司や同僚との関係性にフォーカスすると、従業員体験を低下させるリスクもはらんでいます。会社内で全員が働く場合よりも、社内コミュニケーションを円滑に取れる仕組みづくりが必須と言えるでしょう。
業務を遂行するための必須ツールとしてビジネスチャットツールを導入する企業も多いですが、社内コミュニケーション活性化対策として考えると不十分です。社内SNSを取り入れれば、スタンプや絵文字でより感情の伝わるコミュニケーションが可能になるでしょう。Web社内報の発行やその内容をもとにした双方向コミュニケーションの仕組みを構築すれば、自然と関係も深まっていきます。社内研修や面談なども、必要に応じて実施するのがおすすめです。
従業員に対して会社が行う評価も、EXを構成する要素の一つです。テレワーク中は従業員の勤務実態や勤務態度を把握しづらいため、「評価が難しい」と感じてしまうケースも多いよう。しかし、テレワークだからという理由で正当な評価が受けられなければ、やはり従業員満足度は低下してしまうでしょう。テレワークにも対応できる、新たな人事制度を構築することも重要です。
多様なニーズに対応できるテレワークは、EX向上と相性の良い働き方です。テレワークのための環境整備とEX向上に向けた取り組み、両方を同時に進めていくことで、相乗効果を狙えるでしょう。EX向上のために何をすれば良いのか、悩む企業は少なくありません。関連サービスについて検討するところから、スタートしてみてはいかがでしょうか。